ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって

「酔っ払ったから今から少しだけ行ってもいい?」

そう言って彼女は本当に五分だけうちに上がって、次の男の子の家に向かっていった。

 

再び独りになった部屋でその行動の意味を考えてみる。さっぱりわからない。

彼女は一体なにがしたかったんだろう。

 

最近は本命がいる人に変にモテるし、ちょいちょい失恋している。

「深追いすれば奪えるんじゃない」なんて無責任なアドバイスを垂れ流す友人を眺めながら、「そこまでするほど好きではない」ことに気づいてしまっている。

 

人を本気で好きになったことないような気がするし、これからもないかもしれない。

おんなじように人から本気で好きになってもらったこともなかったかもしれない。

 

 

世間では「平成最後の夏」と騒がれている。

別にこれまでの夏となんら変わらないはずなのに、タイトルがつくとなんだか特別な気がして、映画の中みたいな物語にしたくなってしまう気持ち、よくわかる。

 

それでもきっと期待外れに、瞬きするほど一瞬で終わってしまうことでしょう(或いはきっと特別なことがあったはずなのに、それに気づけないだろう)

 

何年も経って思い返したら、

「あの夏はやっぱり特別だったな」と

「ほんとに何にも起こらなかったよね」の

どちらに感じるのだろう。楽しみだ。

 

どちらに感じても、たぶん

「邦画みたいで素敵だな」に繋がる気がする。(繋げてみせる)

 

ものは考えようですね。

たった今、素敵な夏が来ています。